ワールド ゴルフ ランキングとは
♦ 男子ワールド・ランキング
男子のワールド・ランキングは 1985年に ソニー・ワールド ゴルフ ランキングとてスタートした経緯があるが、1999年に メージャー大会と世界の主要 6 PGA ツアーで組織する International Federation of PGA Tours によって その制度がエンドースされ、以降、メジャー大会や世界ゴルフ選手権 (WGC) など 大きな大会出場のための条件としての位置付けがなされるようになった。ゴルフ豆辞典では その最新の TOP 10 がどうなっているかをフォローし 最新版をアップしているので そちらを参照下さい。 World Golf Ranking TOP 10
♦ 男子ランキング・システムのジレンマ
ランキングのシステムは 過去 2年間(ただし、直近 13週間の試合の成績により重点を置き、さらに 残りの 91週の成績も より最近の成績の比重が高くなる形で)の獲得ポイントを出場試合数 (最低 40 - 最高 60 試合) で割り、算出したポイントで順位を決めるもので、毎週月曜日に週末のトーナメント結果を反映する形で そのランキングが更新される。失っていく(1 ~ 2年前に獲得した)ポイントのない選手は 成績が良くなると どんどんランキングが上がることになる。
試合の結果によって獲得できるポイントは 試合の規模や出場する選手のレベルに応じて異なり、メジャー大会のような 出場選手のレベルの高い大会で獲得できるポイントは 大きいが 基本的には 1) アメリカ PGA ツアー / 欧州 PGA ツアー、2) 日本 / オーストラリア / コーン・フェリー、 3) アジアン・ツアー / 南ア・ツアー、4) 欧州チャレンジ、5) 韓国・ツアー、6) その他 の順で 獲得ポイントが少なくなるシステムだ。アメリカ PGA ツアーのイベントで上位に入る選手が最もポイントを獲得できるシステムだが 結果的に(賞金の高さもあろうが)そのフィールドで活躍することの難易度が高くなる訳で このランキング制度の整合性がとれていたと言える。しかし、リブ ゴルフツアーが誕生したことで 難しい状況が生まれた。将来、リブ ゴルフツアーの当該ランキング制度への参加申請が受け入れられるか 否かも 不透明であるが リブ ゴルフツアーに参戦する選手の実力は アメリカ PGA ツアーの選手と比べても(少なくとも 2022年の時点では)大きく差がつく訳ではない。一方、リブ ゴルフツアーは 参加する選手の数は 少ないが それらの選手の年間試合数が少なくなる。その結果、ワールド・ランキングを 本当に 全てのゴルファーの実力を反映させるシステムにすることは 非常に 難しくなっている。
♦ 過去の記録
このランキングで 1位の座を保持した最長記録は グレッグ・ノーマン (Greg Norman) の 331週であったが それを塗り替えたのが タイガー・ウッズ (Tiger Woods) で さらに伸ばす可能性も残っているが 現在の記録は 683週である。連続世界 1位保持の最長記録もタイガー・ウッズが打ち立てた 264週だったが(1999年 8月 16日 ~ 2004年 9月 6日)その後、ウッズ自身が 2005年の全米オープンに優勝した後の 6月 12日 ~ 2010年 10月 25日までの 5年 4ヶ月 連続 281週まで 記録を更に伸ばした。その後は ご存知のように ウッズの怪我やスキャンダルによる低迷期が 2年以上続き、2013年 3月 24日に 当時 ランキング 1位だった ローリー・マキロイを タイガーが抜いて 再び 1位の座を奪還したが その後は 長くは 続かず、結局、そのトータルは 683週で タイガーの記録は ストップした。タイガーの黄金時代以降にナンバー・ワンになった選手は ビジェイ・シン (32) アーニー・エルス (9) リー・ウエストウッド (22) マーティン・カイマー (8) ルーク・ドナルド (56) ローリー・マキロイ (106) アダム・スコット (11) ジョーダン・スピース (26)、ジェイソン・デイ (51)、ジャスティン・トーマス (5)、ジャスティン・ローズ (13)、ダスティン・ジョンソン (135) 、ブルックス・ケプカ (47)、ジョン・ラーム (60) などが居るが、2022年(32週)現在、ナンバー・ワンは スコッティ・シェフラーである。 World Golf Ranking TOP 10
♦ 女子ワールド・ランキング
一方、女子ゴルフにも 世界ランキング (Rolex Women's World Golf Rankings) 制度が 2006年から導入されおり、その歴史や経緯は 男子のそれとは 違うものの注目されている。過去 2年間に獲得したポイントが対象となる点は 男子と同じだが、出場試合数の少ない選手は 35 で割り算する点や最大 60試合の制限がない点などが違う。なお、メージャー大会他、権威ある世界レベルの大会出場のための選考基準として使われる点は 男子と同様である。2022年 8月 現在のランキングは 右の通りだが、近年は 韓国選手を中心に東洋人が目に付く。この時点で 10人中 3人が韓国選手だが、所謂 白人の選手は 3名しか居ない。なお、2位の ミンジー・リー選手は 韓国系 オーストラリア人、4位のリディア・コーは 韓国系 ニュージーランド人だ。なお、9位には 日本の畑岡奈紗選手がランクインしているが、20 〜 30位内には 5人の日本人選手が居る。» ROLEX World Golf Ranking 公式サイト
♦ 日本人選手の動向など
因みに、男子の日本人選手は 2021年 1月 10日 時点で 松山英樹が 21位 (4.0093pt)、次いで、76位:今平周吾 (1.6787pt)、石川遼 (1.4874pt) となっているが、松山選手は別にして、他の日本選手は コロナの影響で試合数が極端に減ったためポイントがゲインできなかったためである。例年であれば、50以内に 2 〜 3人、100以内に 7 〜 8人は 入っているのに 残念な結果になっている。世界ランキング 50位以内がマスターズ出場の当確ラインだが、このままでは 日本から誰も参戦できないことにもなるだろう。
他方、女子は 2010年 に 宮里藍が セーフウェイ・クラシック (Safeway Classic) に優勝して 2位 米国の クリスティー・カー (Christie Kerr) 、3位 韓国の シン・ジエ 以下の選手を リードし 9週に亘って 1位の座をキープしたことがある。その後は低迷していたが、最近は 畑岡奈紗選手がトップ 10入りをして その座をキープしている。
なお、日本女子の場合は メルセデス・ランキングという年間の活動度を示すシステムがあるが、そのシステムは ワールド・ランキングのシステムとは 少し違いがある。因みに、2022年 8月時点のメルセデス・ランキングの 1位は 西郷真央で、2位に 山下美夢有、3位が 稲見萌寧という順である。なお、世界ランキングと メルセデス・ランキングは 評価期間が 2年間と 1年間と言う違いがあるから 順位が一致しないことが多い。