ベン・ホーガンのゴルフスイング
♦ ホーガンの経歴と偉業
ベン・ホーガンは 1931年 19歳でプロに転向するも 最初に優勝するまでに それでも 7年の歳月を費やした。また、1949年には 交通事故で足を怪我し 競技ゴルフを断念かと思われるような経験もしたが 復活し、その後の活躍は 目覚しく 全米オープン 4 回、マスターズ 2 回、全米プロ 2 回、全英オープン 1 回 と合計 9 回のメジャー制覇をし グランドスラムも達成した。特に、1953年には 3つのメジャーを制したことで知られており、タイガーが 2000年に メジャー 年間 3勝のタイ記録を出すも 彼のこの記録は 未だに破られていない。
♦ ホーガンのゴルフスイング
以下のユーチューブ動画は ホーガンが ダウンスイングは(肩ではなく)膝と腰の動きで始動すべきだと強調しているものである。その下半身の動きは 多くのツアープロが参考にした動きで 膝(ニー)は 高級車のサスペンションのように動いているものの 頭は殆ど動いていない。ベスト ボールストライカーと言われた ホーガンの素晴らしさの鍵は このニーアクションに あったのかも知れない。
彼のスイングは 所謂 1プレーンのゴルフスイングであるが 比較的 大きな前傾姿勢のポスチャーで 肩の回転と腕の回転が 1つの面(プレーン)になるスイングは 腰と肩の回転 そして 腰と肩の回転で生じる その間のテンションなどをパワーソースとする、所謂、ボディーターンのモダン・ゴルフスイングと言える。コリン・モンゴメリーや へール・アーウェインなどに代表される ボールに 比較的 近く立って ポスチャーでの前傾が少なく、肩は ほぼ水平に回転し 腕の振りがアップライトで 肩と腕が異なったプレーンの上を回転する 2プレーンのクラシック・スイングと対比されるスイングである。
腕の振りや体重移動によるパワーに依存する 2プレーンのスイングに比べて 体重移動がほとんどなく、上・下半身のテンションとボディーターンに そのパワーを依存する 1プレーンのスイングは 腕の振りと体の動きのタイミングの取り方が クリティカルになる 2プレーン スイングに比べて 安定したスイングを可能にすると言われる。つまり、bad shots でも 酷い結果には なり難いのである。
♦ 著書 - モダンゴルフ
ホーガンは 一世を風靡した モダン・ゴルフ(英語版: FIVE LESSONS - Modern Fundamentals of Golf)の著者でもある。彼は スイングプレーンやプロネーション、スーピネション(左腕のローテーション)、ダウンスイングの始動時に クラブを少し レイドオフ (laid off) させて 右肘をわき腹の前に入れる動きで ダウンスイングのプレーンが バックスイングのプレーンより若干フラットになるような打ち方をするなど 好ましいゴルフスイングとは 何かを理解する上で鍵になる基本の各種概念を一般ゴルファーの間に広め、ゴルフの普及や教育でも偉大な業績を残した。(日本語版に興味のある方は こちら)