ゴルフ メジャー大会

一方、女子のメジャー大会は ５つある。1) シェブロン選手権（ANA インスピレーション）、2) 全米女子オープン、3) KPMG 全米女子プロゴルフ選手権、4) エビアン選手権、5) AIG 全英女子選手権の５大会だ。女子のメジャー大会は 2013年に Evian Masters が Evian Championship と名称を変更してメジャー大会に昇格し それ以降は この５大会がメジャー大会と呼ばれるようになった。なお、ANA インスピレーションは 2022年から シェブロン (Chevron) 選手権になったが、それ以前は クラフト・ナビスコ選手権｜Kraft Nabisco Championship さらに ナビスコ・ダイナ・ショアなどと呼ばれた大会である。このような歴史と現状、また、全米女子プロゴルフ選手権や全英女子オープンは スポンサー名なしで呼ばれることもあるが 殆どの大会にスポンサー名がついており（詳細後述）男子のそれに比べ 権威に欠ける感は 否めない。

♦ テニスとの違い

テニスは 男女共に世界四大大会が同じで それがメジャー大会だが その大会のことをグランドスラム｜Grand Slam Tournaments と呼び、同時に、その全てに勝つこともグランドスラムと言っている。大会自体をグランドスラムと呼んでいるのは ゴルフとの大きな違いである。ゴルフでは メジャー大会の全てに勝つことがグランドスラムで（» 詳細）その大会のことをグランドスラムと言うことはない。因みに、テニスのメジャー大会は 全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン（英）、全米オープンで 正に 世界四大大会になっている。ゴルフの場合は 四大大会の内 アメリカで行われないのは（男子の場合）全英オープンだけである。

♦ 男子メジャー開催コースと賞金

このように ゴルフのメジャー大会は 全英オープン以外 全て アメリカで開催される訳だが それぞれ異なった歴史を有し 独特な雰囲気を持っている。マスターズは 毎年 同じコース、即ち、オーガスタ ナショナル｜Augusta National Golf Club で行われ、4月上旬というタイミングが シーズン開幕を告げる趣のある大会である。そして、全米オープンは ラフが深く グリーンが 硬くて 速い、コース設定が非常に難しいトーナメントとして知られている。また、全英オープンは 最も 歴史あるトーナメントであると同時に リンクスの伝統的なゴルフ スタイル 所謂 バンプ アンド ランのテクニックが要求される点で アメリカン スタイルのピンを狙ってショットをする 近代ゴルフとは 一線を画している。2018年までは シーズン最後のメジャー大会となっていた 全米プロゴルフ選手権｜PGA Championship は 唯一 アマチュアの参加しない（ただし、クラブプロが数多く参加する）大会であることが特徴だ。なお、2019 〜 2023年のメジャー大会の開催コースは 以下の通りである。

ゴルフの男子メジャー大会は 毎年 4、6、7、8月に行われていたが 2019年からは 全米プロゴルフ選手権｜PGA Championship が８月ではなく ５月に行われることになったため ７月の全英が シーズン最後のメジャーになった。この変更により ８月にフェデックスカップのプレーオフ３試合（それまでは４試合）が行われ、シーズン最終戦のツアー選手権は 8月の最終週 または 9月の第 1 週に実施されて PGA のシーズンエンドが早まるなど 年間スケジュールの大幅な変更がなされた。なお、テニスなど 他の多くのスポーツと異なり 男子と女子のメジャー大会は それぞれ全く関係のない日程と場所で行われているが 男女のメジャー選手権の歴史や認知度には 大きな差があり ただ単に ゴルフの世界四大大会と言った場合は 男子の大会を指すことが多い。（女子のメジャー選手権については 後述）最近の男子の大会では ほとんど 毎回 違う ゴルファーが優勝しており、何時、どの大会で 誰が優勝したのかを忘れている人も 少なくないと思うが その結果は 以下の通りである。なお、各大会の詳細、また、過去の優勝者の記録、グランドスラム、フェデックスカップについての詳細に興味のある方は 以下の各リンクをクリックで。

♦ 最近のメジャー優勝者｜2010年 〜

♦ 女子 メジャー大会

女子ツアーの歴史は 男子のそれに比べ短く そのメジャー大会の権威や知名度、注目度は 男子に比べ 残念ながら かなり低いと言わざるを得ない。その証拠に 女子のメジャー大会の名前をすべて言うことの出来ないゴルフファンは 少なくない。しかし、近年は 女子プロの実力が大幅にアップする中 徐々に その存在感を高めている。そんな中、2013年からは エビアン マスターズがメジャーとなり 名称も エビアン チャンピョンシップとなって 年に 5回のメジャーが（賛否両論あろうが）行われることになった。以下は そんな女子メジャーの優勝者の記録である。

全英オープンがメジャーになって 覚え難い大会は クラフト ナビスコ チャンピョンシップ（かつて Dinah Shore の名称が使われた大会）だけだったが 2015年からは これが ANA Inspiration になり、2022年には さらに Chevron Championship になった。2000年までは 全英オープンではなく デュマリエ クラシック (du Maurier Classic) がメジャーだったという経緯もある。また、上表からも分かるように 近年は アジア出身の選手の優勝が目立つが 欧米選手が強い男子とは そうした点で違いがあるのも特徴だ。

♦ その他 ビッグ トーナメント

2007年のシーズンから男子米国 PGA ツアーで新たに始まった新ポイント制度のフェデックス カップ｜FedEx Cup は 複数試合の獲得得点制度によって優勝 並びに 順位を争う競技で 賞金総額 3,500万ドル、優勝賞金 1,000万ドルという ビッグなイベントになったが、その賞金が 2019年には さらに大幅に増額され、賞金総額が倍の 7,000万ドル、優勝賞金は 1,500万ドルになり、２位以下の賞金も大幅に増額された。そのプレーオフは 4試合から 3試合に減り、最終戦のツアー選手権｜Tour Championship は 8月末に行われシーズンを終えることになったが この大会は メジャー大会以上に 注目されているかも知れない。一方、長年に亘り メジャー大会に次いて注目度の高い また 賞金額で メジャー以上と言われてきた大会に 準メジャーとか 5th Major などと呼ばれるプレーヤーズ選手権｜The Players Championship がある。その 2023年の賞金総額は メジャー最高額の全米プロゴルフ選手権を上回る 2500万ドルだ。さらに、WGC Dell Technologies Match Play (2023年の賞金総額 2000万ドル) をはじめ 年に 四回行われる 世界ゴルフ選手権｜WGC｜World Golf Championship の存在も大きなものである。

他方、全米シニアオープン｜U.S. Senior Open、全英シニアオープン｜British Senior Open の権威も高いが 近年は やや盛り上がりを欠いている。他方、団体戦であるが 国際的な男子プロのマッチプレーによる対抗戦、ヨーロッパ 対 アメリカのライダー カップ｜Ryder Cup、インターナショナル（ヨーロッパを除く） 対 アメリカのプレジデンツ カップ｜Presidents Cup が それぞれニ年に一度行われ それらも メジャー並み 見方によっては それ以上の注目を集めている。

アマチュアでは マッチプレーで戦われる全米アマと全英アマが歴史的にも また それによって メジャー選手権への出場権利を得ることが出来るという点でも ニ大イベントである。さらに、男子の US Amateur Public Links Championship、US Mid-Amateur、また、アジア パシフィック アマチュア ゴルフ選手権も マスターズへの出場権がかかった試合で 注目度が高い大会である。